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コレクションから今月の一枚

歌川広重 名所江戸百景 王子不動之滝
 
安政4年(1857)/大判・錦絵/版元:魚屋栄吉

Utagawa Hiroshige   
Fudō Falls at Ōji,
("Ōji fudō no taki ")
Series: One Hundred Famous Views of Edo
Ansei 4 (1857)/Ōban, Nishiki-e/
Publisher: Uoya Eikichi


暑い日が続きます。
今月の一枚は、広重の名所江戸百景から清涼感のある不動の滝を描いた作品をご紹介いたします。

 石神井川は王子付近で蛇行し、滝のある美しい渓谷を形成した。川辺に正受院という寺があり、かつては寺のすぐ裏手に滝があり、修行僧がこの滝で修行しているところに不動明王の像が出現したことから「不動の滝」と称された。
広重は不動の滝を画面の中央に大きく描いている。人物と対比するとかなりの大瀑布に描かれているがこれは誇張である。滝の上方に注連縄が渡されており、神域であることを表している。人々の姿をつぶさに見ると、床几に座って風を入れている姿も見え、修行のためという厳しさは見受けられない。滝を中心に青を多用し、涼やかな雰囲気を演出している。

平木コレクションについて

平木コレクションは、戦前の三大コレクションとして著名な「松方コレクション」「斎藤コレクション」「三原コレクション」の内、実業家平木信二氏によって所有された斎藤、三原コレクションの二大コレクションに増補集大成して形成されたものです。浮世絵の創始と称される菱川師宣から橋口五葉や伊東深水という近代版画に至るまで、近世以降の版画の歴史をたどることが出来るように蒐集されたコレクションです。約6000点の所蔵作品には、重要文化財11点、重要美術品238点を含み、その質の高さは内外に知られています。

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